一切嫌味のないハーレムが作り上げられていく漫画「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」を読め

 

ブコメ、読んでますか?ぼくは根っからのジャンプ少年だったので、ラブコメは2005年以降のジャンプでやってたやつとラブひなしか読んだことがありません。アニメだととらドラが好き。

ジャンプのラブコメは「ToLOVEる」「ニセコイ」「ぼくたちは勉強ができない」あたりなのですが、この少ないラブコメ経験値でわかったラブコメのウィークポイントとして、

・主人公が難聴

・主人公が優柔不断

・マンネリ打破のために追加される負けヒロイン

の3点を挙げたく思います。

(これからの話は上記のジャンプラブコメに限定しています)

ブコメ(ラブ・コメディ)なるジャンルの宿命として、

主人公と、主人公に好意を寄せるヒロインとがサクッとくっついてしまうとそれで話が終わってしまうため、メインのストーリーラインをちょっとづつ進めて設置された障害をクリアしていき、同時にサブヒロイン含めたキャラクターたちの日常話を広げて話をもたせる構成になっている印象です。

この構成をするとどうしても主人公は果敢にアタックしてくるヒロインたちをのらりくらりとさばきつつ、ハッキリとした答えを出さずに引き伸ばす必要があるため「難聴・優柔不断」系主人公になってしまうのでしょう。

サブヒロインたちとの日常も固定のメンツで何回も繰り返してくると煮詰まってきて新しい展開がなくなってくるため、そこで唐突にやってくる新キャラの追加ヒロインもあるあるの1つですね。サブヒロインの枠にうまく入っているのならまだいいのですが、「どう考えてもこいつはサブヒロインの枠にすら入れないだろ・・・」みたいな子がむりくり入れ込まれてる図とかは見てると悲しくなります。ニセコイの羽◯とかね・・・真相を知ってそうな扱いだったから余計にね・・・

 

前書きが長いですが、こういった思いでラブコメはジャンプにあるくらいしか読んでないのですが、今現在ヤングジャンプで連載中の「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」という漫画が良かったよ、ということを書きたい。

 

ジャンプ+でもなぜか読めるので(https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331623812157)そちらで読みました。

 

この漫画、主人公の恋太郎は高校に入学したての彼女が欲しい少年(ここまでは普通)なのだが、親切で人望があって気を利かせることができて気さくで話しやすくいメチャメチャに良いヤツなのだ。作中での扱いだけでなく、読者からも良いヤツと評されるような性格になっている。そして海のように深い愛情を持っているが受け入れてくれる矛先(彼女)がない日々だった。

1話で彼は神から2つの大事な話を聞く。

①お前はこれから100人の運命の人(出会った瞬間に女は一目惚れをして、男は徐々に好きになる相手のことを運命の人という設定)と出会う

②運命の人と出会った人間はその相手と愛し合って幸せになれなければ、なんやかんやあって””死ぬ””

 

高校入学から2人の運命の人(ヒロイン)と出会った恋太郎は持ち前の良いヤツムーブメントで告白されるところまでもっていくが、2人のどちらを選ぶのかで悩んでいたところで神から②の話を聞いてしまうのである。

つまり、今日告白された女の子2人のうち、片方をふったらその子はなんやかんやあって死ぬのだ!とんでもねえ設定だな・・・


これ聞いた恋太郎は隠れて二股するか・・・?と逡巡するも、自分を好いてくれている女子に対してこっそりと二股するという行為が許されるわけがないと奮起。

正直に2人とも好きだ!!選びはしない!!!!どちらも俺が幸せにする!!!!!と堂々発言。

いや結局二股かよ、と言われたら二股なんですけど、でも片方ふったらなんやかんやで死ぬのだからこの二股は正当な理由があるのだ。実際どうかではなく、「正当な理由が用意されている」のだ。

二股して残り98人!百股までするのか恋太郎!?どうなんだ!!???!(百股などという日本語はない)(百股で検索するとこの漫画が出てくる)

 

主人公・恋太郎はとにかく良いヤツであり、愛情深い。

運命の人として出会った女の子全員をきちんと好きで、全員を愛している。無限の愛情の持ち主と言える。

コメディ色強めの漫画ではあるが、ラブコメとしては異色・・・というより新時代のハーレムラブコメという感じ。

従来のラブコメでつきまとうこればっかりはしょうがないのかなあ、というウィークポイント要素をブッ飛んだ設定によって消し飛ばすというそのパワフルさを評価したい。

にわかラブコメのぼくが推してるので識者にとっては今更こんなのなんも新しくねえよ、となるかもしれないが個人的には面白かったですよと言いたい。

あと絵がうまい。けっこうおすすめ。