中世を舞台にネズミの海に溺れるゲーム「A Plague Tale:Innocence」感想
A Plague Tale:Innocence(プレイグ テイル -イノセンス-)
@steam、1863円
@クリアタイム:9時間
@評価:★★★☆☆
中世ヨーロッパを舞台に、ペストとネズミが渦巻く社会を家族を失った姉弟、アミシアとその弟ユーゴ(5歳)が生き抜くストーリー。ジャンルはステルスアクション。
死ぬほどネズミの群れが出てくるので、うじゃうじゃと蠢く大量の群体が苦手な人がやると発狂します。気を付けましょう。
時代設定は1350年くらい、ちょうどペスト(黒死病)が猛威を振るっていた時代。
特別な血を身に宿し、病気がちのユーゴを狙う宗教裁判のグループから逃げるべく姉弟は逃亡。アミシアの持つスリングショットくらいしか武器がないので、逃げるか隠れるかしか出来ません。宗教裁判の兵士に見つかったら即、死にます。
彼らは一切の容赦がなく、ユーゴを追ってきます。そして彼らは目的のために街1つ潰すことも厭いません。
ネズミを街に放って、人も動物も食いつくしてしまうようなことも平気でやる邪悪。
設定的にもゲーム的にもこのネズミはとても狂暴で、人を見つけたら凄い勢いで集まってきて、一瞬で肉を食いつくしてしまうので、油断したらすぐ死にます。
ネズミは火を恐れるので、火をうまく使ってネズミを避けながら進めていきます。
このゲームの敵は兵士とネズミの二種類と言えるでしょう。
地面を埋め尽くすネズミ、たいまつの火が消えたらその瞬間ネズミに覆いつくされて肉体を食いちぎられる。こわ
逃げるしかしてこなかったアミシアですが、ユーゴを助けるために兵士を殺してしまってからはトリガーが外れます。ユーゴを助けるためならばどんなことでもするし、殺人に対して一切の躊躇がなくなります。死体の山を築いた先に安住の地があると信じて・・。
そしてゲームが進行するにつれて、姉弟は生きるためどんどん凶悪な手段を取るようになります。兵士という強者から逃れるためには、歳若い姉弟はえげつない手段を取らざるを得ないのでしょう。
前述したようにネズミは火を恐れるので、兵士たちはたいまつをもって巡回しているのですが、アミシアは液体をたいまつに向かって投げつけて火を消すことが出来ます。
たいまつの火が消えた兵士はアッ!と驚くと同時に凄い勢いでネズミに覆いつくされ、死亡。
兵士を処理できたので姉弟はその横を通って先に進む・・・という攻略がざらにあります。えぐい。
他にも、死体にはネズミが群がるので、処刑されて吊るされてる死体をひきずり下ろしてネズミに死体を食わせたり、
牛に餌をやって誘導しネズミの群れに突っ込ませたりと無茶苦茶やる。
倫理を蹴っ飛ばして生存に執着する姉弟の生きざまをありありと見せられるゲーム。
ストーリーはとにかく暗いです。
アクション面で残念な点があるとすればプレイヤーの体力が1しかないところで、1ミスしたら即ゲームオーバーになります。チェックポイントが頻繁に設定されていますが、それでもちょくちょく面倒に感じる時がありました。
グラフィックはかなりキレイ。ただ世界観も舞台も暗いし基本が夜なので、美しい風景を楽しむ余裕はあんまりないかも。
まあまあ面白かったですが、セール中じゃないなら買わなくてもいいかなくらいのオススメ度。★3つくらいの感覚。中世ヨーロッパの世界観が好きな人はやってもいいかもしれません。
世界観のせいか、味方キャラの誰もが緩やかな自殺をしていく感覚。破滅的だ・・・。
進んで死に向かう皆さん。
終末世界を感じられるゲーム。