映画感想「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」★★☆☆☆

タイトル:「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

公開日:2016

監督:ザック・スナイダー

主演:ベン・アフレック(ブルース・ウェイン)、ヘンリー・カヴィル(クラーク・ケント)

主な出演者:ジェシー・アイゼンバーグ(レックス・ルーサーJr.)、エイミー・アダムス(ロイス・レイン)、ジェレミー・アイアンズ(アルフレッド)

@鑑賞日:2020.6.14

@評価:★★☆☆☆

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(字幕版)
 

 

 

前作「マン・オブ・スティール」に続くDCユニバース(DCエクステンデッド・ユニバース)の2作目にあたる作品。

前作ラストから2年がたった後の世界です。

スーパーマンの生まれは前作で描かれた通りだが、今作ではダブル主人公でバットマンも登場。バットマンの出自については当然皆さん知ってますよね?のごとく省略されます。

 

前作のラストであまりにも街を破壊しすぎだろ!!!と思っていたらやっぱり街を破壊しすぎたようで、街破壊によって保有していたビルが倒壊、社員を失ったブルースはスーパーマンに恨みを持つようになってしまう。

超人的なパワーを持ったスーパーマンは神に近しい存在となり、一種の信仰を集める形になっています。ただ、スーパーマン自身は多くを語らず、信仰を受ける前と変わらずただ「人を助ける」ことだけを続けていました。

ただ、スーパーマンが人助けをしたり、敵と戦ったことで巻き込まれ被害を受けてしまった人もいます。そのため、世界のすべての人間がスーパーマンを認め、受け入れることはなく、彼を排除しようとする人たちが存在しています。そのうちの1人がバットマンとなります。

スーパーマンを認められないバットマンと愚直に正義を務めるスーパーマンの他にも、メガコーポ系ヴィランレックス・ルーサーJrもクリプトン星人の兵器を研究し、スーパーマンを打倒する兵器を作ろうとしていました。この3勢力を中心にストーリーが展開されていきます。

 

レックス・ルーサーJrは自分の好きなジェシー・アイゼンバーグが演じててテンション上がりましたね!この人、早口で喋るインテリナードオタクを演じさせたら右に出る者はいないでしょ!ってくらいハマるよね・・・

今作のバットマンは20年間ゴッサムシティで活動を続けていた状態のため、老練というか、未熟さを感じさせないキャラクターとなっていました。

ただ、バットマンといえば不殺、というイメージをどうしても持っているのですが、今作ではバットマンはわりと平気で人を殺しますし。銃もミサイルも使います。

自分の中のバットマン像はゲームのアーカムシリーズによって形作られてるのですが、バットマンは自ら不殺の縛りを課して、銃のように便利な道具を使わず、バットラング(手裏剣)のような使いにくそうな道具を使い自らの不殺ルールを貫くヒーロー、というイメージでした。そのため、今作でバンバン銃をぶっぱなしてるシーンでは「バットマンどうしたの!?それ死んじゃう!死んじゃうって!」と焦りながら見てました。

20年の活動の中で摩耗したバットマンはもはや人殺しに躊躇することはない、という設定らしいですけど、どうしてもここが受け入れられなかったなあ・・・。

 

想像ですが、この映画はバットマンとスーパーマンを戦わせたい!というコンセプトからスタートし、どうやったら2人のヒーローを戦わせられるか?とストーリーラインを引いていったような印象を受けました。それがうまく働いておらず、バットマンがスーパーマンを殺す理由がいまいち受け入れられなかったり、レックス・ルーサーJrにうまいこと利用されちゃって愚かな振る舞いをするバットマンが哀れに見えちゃって、どうにも自分には合わなかったです。

アクションシーンは相変わらずの大暴れで楽しかったですけど。

 

ネタバレありで印象強かったところ。

バットマン、スーパーマン憎しはわかるけど殺すほどではなくない?

・スーパーマンが2年前に先に戦争をしかけた(←しかけてはいない

・今は善人であり確かに敵ではない(←はい

・だが1%でも敵になる可能性があるならそれは敵だ(←ええ・・・

・この20年でゴッサムに善人はいなくなった(←きみがそう言うならもういいよ・・・

よってスーパーマンを殺す!ってのがどうにも納得いかなかったなー。スーパーマンはあくまでゾッド将軍の計画を阻止して人間を守ろうとしたからそれを「戦争をしかけた」と表現するかあ・・・となりますねえ

◯スーパーマンは正義の味方としてはあまりに人間的過ぎる

スーパーマンは確かに超人的なパワーをもっているし、戦闘力だけなら最強なんだろうけど、家族や恋人を捨てきる覚悟をもっていないから利用されてしまう弱さが致命的だなあ

誰の命であっても価値を等価とする衛宮切嗣みたいな思想をもっていないと正義の味方を貫き通すのは難しいね・・・

◯スーパーマン、いくら弱点のクリプトナイトを食らってたとはいえ・ドゥームズデイ(敵キャラ)の爪の一刺しでやられてしまうとは・・・

えっこの程度で!!?!??最強のヒーロースーパーマンが!?!!?!??!とうろたえまくっちゃった

でも正直この先もヒーロー続けるのは彼にはしんどそうだったしこれで良かったのかもね

 

スーパーマンバットマンを戦わせたい!というコンセプトのもと作られたこの2人を戦わせるためだけの映画。

世に姿を現し、正義の象徴となったスーパーマンを逆恨みしテロリストに利用されて人質を取る手段でもってスーパーマンを殺そうとするバットマンは「コンセプト通りの映画作りのためにアイデンティティを失った哀れなピエロ」って感じで見てられなかった。

こんなのはぼくの信じるバットマンとは思いたくない